私が大学を卒業した時代は男女機会均等法が施行されたばかりの頃でした。
女性も男性も関係なく同様の雇用の機会を提供することが促進され、4年生の大学を卒業していると、一般職の求人が殆ど無い状況でした。私も同じ仕事をするのであれば、男性と同じ立場で仕事がしたいと思っていたので総合職で採用されることを望んでいました。入社したのは鉄鋼建築の副資材を扱う専門商社。分かりやすく言うとボルト屋さんです。営業先は町の鉄工所。お客さんは全て男性。
入社の時点では女性には開発中のCADシステムの営業を予定していましたが、計画倒れで結局は男性と全く同じ営業をすることになりました。
鉄工所のお客様が全て男性十いうのには日本の古い習慣があるからです。工場には神様が祭ってあります。祭っている神様は女性なので女性が工場に入ることはタブーだとさせていました。営業に行っても工場に入れて貰えませんでした。また、商品の納品も営業活動のひとつでしたが、鉄の塊の20キロも30キロもある箱を車に乗せたり降ろしたりするのに体に負担のかかる作業が毎日ありました。
そんな環境の中で働いている中で男女雇用機会均等っていったい何だろうか、何の意味が有るのだろうかと疑問に思い始めました。役所や労働センターに行って相談したところ、男と女では自力で持ち上げる荷物の重量の上限の差が定められていることを知りました。しかし、会社に抗議するには多くのデータがないと問題解決にはならないと言われ、がっかりして帰って来ました。会社も心情的には理解を示してくれましたが、現実的には同じ給料で働いているので女性に対する配慮に男性のやっかみがあり、社会人一年生でとても苦しい経験をしました。
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